櫻井邦博
社会保険労務士事務所
ブログ

社長の想いを就業規則に反映させるという考え方

就業規則は、会社の決まりを並べるだけの書類ではありません。社長がどんな会社をつくりたいのかを、社員に伝えるための大切な道具です。

就業規則というと、多くの方は「法律で決められたルール集」を思い浮かべます。

もちろん、就業規則には法律上必要な項目があります。勤務時間、休日、賃金、退職、服務規律など、会社として明確にしておくべき内容があります。

しかし、私は就業規則を単なる決まりごとだけで終わらせるのは、もったいないと考えています。

就業規則には、社長の想いを反映させることができます。

むしろ、中小企業ほど、そこが大切です。

なぜなら、中小企業は社長の考え方が会社の文化に大きく影響するからです。

社長が何を大切にしているのか。
どんな働き方を望んでいるのか。
どんな社員に育ってほしいのか。
お客様にどのような価値を届けたいのか。

こうした考えが言葉になっていないと、社員は何を基準に働けばよいのか分かりません。

たとえば、社長が「お客様との信頼関係を大切にしたい」と考えているとします。

その場合、就業規則や社内ルールの中には、お客様対応の基本姿勢、報告の大切さ、約束を守ること、情報管理の重要性などが反映されるべきです。

また、社長が「チームで助け合う会社にしたい」と考えているなら、協力姿勢、引き継ぎ、情報共有、ハラスメント防止、指導のあり方などが重要になります。

つまり、就業規則は、会社が社員に対して「こう働いてほしい」と伝える大切な道具なのです。

ここで注意したいのは、社長の想いを一方的に押しつけることではありません。

大切なのは、会社が目指す方向を分かりやすく示すことです。

社員は、社長の想いを毎日聞けるわけではありません。忙しい現場では、社長が一人ひとりに丁寧に説明する時間も限られます。

だからこそ、就業規則や社内ルールとして形にしておく意味があります。

形にすることで、社員は繰り返し確認できます。管理者も同じ基準で指導しやすくなります。新しく入社した人にも、会社の考え方を伝えやすくなります。

社長の想いが反映されていない就業規則は、ただの書類になりがちです。

どこかで見たような言葉が並び、会社の実態と合っていない。社員に説明しても、心に残らない。問題が起きたときにも、結局使われない。

これでは、せっかく作っても意味がありません。

反対に、社長の想いと会社の実態に合った就業規則は、会社の土台になります。

社員に安心を与えます。
管理者の判断基準になります。
採用時の説明にも使えます。
問題が起きたときの対応のよりどころになります。

そして何より、会社がどこへ向かうのかを示すものになります。

私は、就業規則を「会社の未来設計図」だと考えています。

未来設計図ですから、ただ法律を満たすだけでは足りません。

社長がどんな会社をつくりたいのか。
社員にどんな働き方をしてほしいのか。
どんな人が活躍できる会社にしたいのか。

そこまで考えて作る必要があります。

もちろん、最初から完璧なものを作る必要はありません。

会社は変化します。人も増えます。働き方も変わります。だから、就業規則も一度作って終わりではなく、会社の成長に合わせて見直していくものです。

大切なのは、今の会社に合っているか。
社長の考えが反映されているか。
社員に伝わる言葉になっているか。
実際に運用できる内容になっているか。

この視点で見直すことです。

櫻井邦博社会保険労務士事務所では、社長の想いを丁寧に聞き取り、会社の成長につながる就業規則づくりを支援しています。

就業規則を、ただの書類で終わらせない。
会社の未来を支える設計図にする。

それが、これからの中小企業に必要な就業規則の考え方だと思います。

人が定着し、社長が未来を考える時間を取り戻すために、まずは現在の仕組みを一緒に点検してみましょう。無料の経営人事診断では、就業規則・採用定着・評価賃金・勤怠管理の面から、会社の課題を整理します。

← ブログ一覧へ戻る